2020年1月18日土曜日

Match Preview: 2020/01/19 Arsenal vs Sheffield United (H)

 1月19日のシェフィールド・ユナイテッド(以下、ブレイズと表記)戦に向けたプレビュー記事です。ブレイズの直近のリーグ戦のレビュー記事も書いていますので併せてご覧ください。

Match Report: 2020/01/11 Sheffield United vs West Ham United

ブレイズの現在の状況


@SheffieldUnited

リーグ戦での現在順位: 6位
勝ち点 32:勝ち8 引き分け8 負け6
得点24 失点21

 昇格組ながらCL出場権も視野に入る好位置についているブレイズ、彼らがこの順位にいると予想した人は、シーズン開始前にはいなかったのではないかと思う。チームの特徴は何と言ってもその堅守にある。21失点はリバプールに次ぐリーグ2位タイ(レスターと同じ)の失点の少なさ。22試合消化時点でクリーンシートは8試合あるので、3試合に1試合はクリーンシートを達成していることになる。3失点以上した試合もなく、大崩れもしない。そうはいっても、単に引いて守るだけのチームではなく、守備に必要な選手の人数を定め、そこに負担をかけない人数を攻撃に使い、なおかつその人数で完成させることのできる攻撃のパターンを構築させている。下に、ブレイズというチームを象徴するデーターをいくつか並べると(データはすべてwhoscored.comより)

・ボール保持率44.6%(リーグ3番目の少なさ)
・1試合あたりの空中戦勝利数24.7(リーグ2位)
・1試合あたりの枠内シュート数3.2(リーグ最下位タイ)
・1試合あたりのロングボール数76(リーグ1位)
・1試合あたりのクロスの数22(リーグ4位)
・中央からの攻撃19%(リーグ最少)

 戦い方については後で述べることになるが、基本的にはサイドから崩してセンタリング、それにツートップの選手が合わせる、というシンプルな攻撃が主になる。1試合あたりのクロス数や空中戦の数が多く、中央からの攻撃がほとんどみられないのはそのためであろう。シーズンを通して一貫したコンセプトを持ち、そのコンセプトを洗練させてきた非常に組織化されたチームに対し、Artetaがどういった策を用意するのかが見どころになるだろう。

 また、冬の移籍では既にRodwell、Heneghan、Wrightの3名を獲得している(HeneghanとWrightは今シーズン終わりまでのローン)。また、Wilder監督とは先日、2024年までの契約延長をしており(@SheffieldUnited)、チーム全体が上手くいっている印象を受ける。

最近の成績と直近の試合のメンバー


 最近の成績は下の通り。年末年始の過密日程でマンチェスター・シティ、リバプールと強豪と対戦しており2連敗をしてしまっているが、今シーズン、リーグ戦での連敗はこれが初めて。安定した成績を残している。

sofascore.com

 メンバーは基本的に下の構成になっている。試合途中で4バックに変えることもある様であるが(understat.com)、先発は今シーズンは一貫して352である。アーセナル戦にも352で臨むことになるだろう。

whoscored.com

怪我人等情報


 怪我人はMooreとVerripsのみ。ともにGKで、2人ともアーセナルに戦に間に合う可能性もあるが、もし間に合ったとしても第一GKのHendersonが使われるだろう。前回の対戦時も怪我人は少なく、シーズンを通じてブレイズの情報を追っているわけではないので的外れな指摘かもしれないが、今シーズンの躍進、好調を支えている1つの要因として、怪我人の少なさを指摘できるだろう

メンバー考察


 メンバーは基本的に固定。選定に困るのはツートップであろう。候補はMcGoldrick、McBurnie、Sharp、Mousset、Robinson。このうちSharpは先発は1試合のみである。33歳と高齢なので先発での起用は基本的にされないようである。また、Robinsonは今シーズン、9試合で先発しているが、これは基本的にシーズン開始直後の話で、、最近はスタートからは離れている。よって、McGoldrick、McBurnie、Moussetの3人から選ぶことになる。今シーズン、McBurnieとMoussetが組んで先発した試合はなく、McGoldrickとMcBurnieのコンビの先発は4試合、McGoldrickとMoussetのコンビは8試合となっている。McGoldrickは先発に名を連ねるだろう。


 また、各選手の特徴を比べるためにスタッツを示すと(sofascore.com)、上の図のようになる。McBurnieは自身でボールを運ぶことが少なく、空中戦に強く、純粋なフィニッシャーとしての役割に特化している。McGoldrickは自身でボールを運びつつ、また、デュエルにも安定して勝利できるので基点になれる選手であるがその一方でゴール数は未だ0。16試合で先発しているのでノーゴールはCFの選手として物足りない気もするが、それでも起用されているので、攻撃にとっては欠かせないピースであるのだろう。Moussetは現在のチーム内のトップスコアラーであるとともに、アシスト数も最多タイ(Baldockと同順位)。ドリブルでも運ぶことができる一方で、他の2人に比べると空中戦での勝率が半分くらいしかない。ゴールを奪えていないMcGoldrickの相方として、得点力で言えばMousset、McBurnieともに申し分がない。より空中戦での戦いを重視するのであればMcBurnieが、カウンター時の独力での突破等より器用なタスクを求めるのであればMoussetを使うことになる。今回はアーセナルのホームで、基本的にアーセナルがボールを保持する展開になると思う。押し込んでセンタリングを上げられる場面も少なくなると予想できるので、それであればカウンターを意識してMoussetを使ってくるのではないかと思う。


ブレイズの戦い方


Match Preview: 2019/10/22 Arsenal vs Sheffield United (A)

 ブレイズの戦い方は前回対戦した時とそれほど変わってはいないので、上のリンクの前回のプレビュー記事の方が動画へのリンクもあり分かりやすいかもしれません。

 まず、攻撃の起点となるのはビルドアップ時にアンカー気味になるNorwoodで、彼を経由してサイドに展開する。ここまでは通常のチームと大差はない。特徴的なのが展開した後で、展開された後のサイドの攻撃を担うのはWB、同サイドのCB、CMFの3人になる。下の図で言えば、WBはBaldock、CBはBasham、CMFはLundstramであり、CBの攻撃参加があらかじめチームの中に組み込まれているということになる。この3人でサイドを崩して突破、センタリングをあげて中央で待ちかまえるツートップに合わせることを目指す。この時、残りのCBの2人と中央のCMF(下の図で言えばNorwood)の3人が相手のカウンターへのケアを兼ねて後ろに残っている。


 こうした攻撃の仕組みは左右で少しだけ違っていて、右CBのBashamはインナーラップすることが多く、外からWBのBaldockを追い越す動きというのは少ない。Bashamの役割は、後方から積極的にボールに触れるというよりかは、クロスを上げる直前のラストパスを受けたり、もしくはセンタリングのこぼれ球を回収するような動きが主になる。一方、左サイドについては、左CBのO'Connellはビルドアップから積極的にボールに触れる傾向にあり、外からStevensを追い越すことも、もしくはインナーラップでボールを受けて書とパスを用いた崩しに参加することもある。左サイドにはテクニックに優れたFleckもいるので、サイドのケアばかりに気をとられていると、Fleckに中央を突破されてミドルシュートを狙われる、という場面を招きかねないので注意が必要である。また、ツートップにシンプルに繋ぐ形のカウンターはMoussetがフィットしていることもあり、前回対戦した時よりも精度と脅威が増している様に思う。十分に警戒する必要があるだろう。

 守備時は532でラインを敷く形になっていて、CFの2人は相手のボランチへのパスコースを切りながら相手CBにプレスをかける。ウェストハム戦では相手のWBに対してブレイズもWBの選手が対応するようにしていて、それに呼応して後ろの選手はスライドし4バックに近くなっていた。中盤の選手も基本的に中央のケアに専念しているので、逆サイドのWBやSB、SHに対してはマークが甘くなる傾向にはある。また、ウェストハム戦で特徴的だったのはLundstramの動きで、ウェストハムの左CB(Cresswell)の選手に対しては右CMFのLundstramがプレスをかけるようになっていた。そのため、Lundstramのプレスが遅れる場面が発生しやすく、そのためにズレが生じることもある。そして、Lundstramが前線まで出ていくということは中盤のスペースを2人で守るということになるので、ここで数的優位をつくられる可能性もある。


 また、これは前回の対戦時から気になっている点ではあるが、最終ラインの選手のロングボールやフィードへの対応に不安がある。ウェストハム戦でも数回、処理を誤りピンチを招いていたので、アーセナルで言えば、素早くLacazetteに縦にパスを通していく様なプレーは有効であると思う。

アーセナルはどう戦うべきか


 この試合でのポイントをまとめると下の通り。

①WB、CB、CMFの3人でサイドを崩してくるので十分に対応可能な人数をサイドに置く
②Fleckは個人での突破やパスのアイデアもあるのでできるだけ対人能力の高い選手を対峙させたい
③LundstramがXhakaへプレスをかける場面が何度かあると思うのでその際に中盤で数的優位を作り出し中央からの突破を目指す
④LacazetteもしくはOzilに素早く縦に早いボールを当てたり、ロングフィードが有効

 ②に関しては、怪我をしているという情報(arsenal.com)があるが、Torreiraに任せたいところ。③については下の図の様な場面になることが考えられるので、Lacazette、Ozil、Nelsonで上手く中央のスペースを利用した攻撃を仕掛けたいところである。クリスタルパレス戦の先制点の崩しなどは理想的であると思われる。ブレイズに対して中央に人数をかけて崩すという発想は、マンチェスター・シティも後半から試していた戦い方で、それで実際に勝利しているので有効だと思う。シティを踏襲するのであれば、大胆に試合開始から3バックを試してみるのも面白いと思う。また、④については、Lacazetteの他に、左サイドにMartinelliを置くことで、LuizやLenoからのロングフィードを競ることのできる選手を2人配置している。前回の対戦時はコーナーキックで失点している。堅守のブレイズに1失点すると、途端に勝利が難しくなってしまう。今日の試合はクリーンシートが勝利への必須条件になるだろう。