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2019年11月30日土曜日

Match Preview: 2019/12/01 Arsenal vs Norwich City (A)

 12月1日のノリッジ戦に向けたプレビュー記事です。ノリッジの前節の試合のレポートも書いていますので併せてご覧ください。
Match Report: 2019/11/24 Everton vs Norwich City

ノリッジの現在の状況


@NorwichCityFC

リーグ戦での現在順位: 18位
勝ち点 10:勝ち3 引き分け1 負け9
得点13 失点28

 現在18位と不調。シーズン序盤はマンチェスター・シティに勝利したりと台風の目になると思われたがそのあとは7試合連続で勝ち星なし。ただ前節、その9月のマンチェスター・シティ戦以来の勝利をエバートン相手にあげており、調子は上向きにある。この不調の大きな原因と考えらるのが怪我人の多さで、下のツイートによると、10月11日時点では25人中13人が負傷で離脱していたらしい。CBのZimmermann初め多くの選手が戻ってきており、アーセナルにとっては今節も厳しい試合になるだろう。

Norwich City’s current injury list! 🤕
Krul,Fahrmann,Godfrey,Hanley,Zimmermann,Lewis,Klose,Vrancic,Hernandez,Cantwell,Trybull,McLean,Tettey
Just the 13 injured players in the 25 man #PremierLeague squad.

直近四試合のリーグの結果とメンバー

vs Manchester United (H) 1-3
(whoscored.com)
vs Brighton & Hove Albion (A) 0-2
(whoscored.com)
vs Watford (H) 0-2
(whoscored.com)
vs Everton (A) 2-0
(whoscored.com)
ここ4試合で評点が高いのはKrul、Trybull、McLean、Hernandezで、フォーメーションは4141、4231等。直近4試合だとマンチェスター・ユナイテッド戦のみ4141になっているが、この4141もMcLeanの立ち位置が微妙で見方によっては4231にみえる(下の左の図参照)。また、今シーズン4141でスタートしたのはマンチェスター・ユナイテッド戦とその前のボーンマス戦のみであるし、アーセナル戦も4231でくると考えてよいと思う
whoscored.com
understat.com

怪我人等情報


 前節からの新たな離脱者はTetteyのみ、「個人的な理由( private reasons)」らしいが理由ははっきりしない。怪我が心配されていたCantwellはトレーニングに復帰しており試合には出場可能、Lewisもトレーニングに復帰しているがこちらは経過を観察中とのこと。その他には、Klose、Hanleyが引き続き怪我で離脱中で、会見では触れられていないがDrmicも出られないはずである。
RECAP: Daniel Farke's pre-Arsenal press conference

メンバー考察


 エバートン戦のメンバーを基本としたメンバー構成にすると思われるが、Tetteyが出場できないのでその代わりを誰が務めるのか、ということが問題になる。候補はAmadou、McLean、Leitner。今シーズン、Leitnerは7試合で先発出場、そのうち5試合がDMFでの出場である。ただ、ワトフォード戦以降は怪我もしていないのにベンチ入りすらしていない。現地紙によると守備的な面で不安があり試合から遠のいているらしい。McLeanもDMFで数試合出場しているがエバートンではトップ下で出場している。トップ下でありながら空中戦にも強い彼の存在はチームの攻撃にとって欠かせないものであるようにみえたのでFarke監督からするとできればDMFで使いたくないはずだ。そうなると残りはAmadouになる。彼はCBも務められる守備的な選手なので現在のチーム事情を考えると適任なのであるが懸念点は今シーズン、DMFの先発起用がないことである。6試合先発で出場しているがその際はいずれもCBでの起用である。現地記者の方もTetteyの代わりを誰が務めるかということには注目しているようで彼はAmadouを推している。

Will be interesting who Farke opts to play in Tettey’s place.
Amadou is fit and available - and be be my choice, assuming no other changes & 4231.

 他に先発予想で問題になることがあるとすれば右SHのポジションである。Buendiaはそれまで12試合すべてで先発だったのだが(うち1試合のみ左SH)、エバートン戦では途中出場になっている。この途中出場もCantwellが怪我をしたことにより生まれたチャンスなので、Cantwellの怪我さえなければ出場しなかった可能性も考えられる。先発クラスの選手がどうして急に出場できなくなったのか。Farke監督は彼自身の問題ではなくCantwellのコンディションが良いからBuendiaが外れただけだと主張しているようだが、現地紙はワトフォード戦での失点につながるミスが原因であると仄めかしている。問題のシーンは1失点目のシーン(下のハイライトの00:30辺りから)で、エバートン戦で途中出場した際も88分に似たようなプレーでボールを失っている。エバートン戦で右SHで出場したCantwellも危険な位置でのボールロストがあったが、守備的な意識はBuendiaよりも高いようにみえ、得点も決めて波に乗っている。怪我の状況が不安だが、それさえなければCantwellを外す理由が見当たらないと思う。


 よってメンバー予想は下の通り。


ノリッジの戦い方


 今シーズンのノリッジと言えばマンチェスター・シティ戦でみせた上の様な攻撃を思い浮かべると思う。しかし、マンチェスター・シティ戦の時はディフェンスラインから丁寧に繋ぎSBを経由しつつ片方のサイドに人数をかけてビルドアップしているが、エバートン戦ではSBはかなり高い位置をとるようになっており、こういった攻撃はほとんど見られなかった。試合開始直後からそういった傾向になっていたので、エバートン対策に用意してきたのか、もしくは理由は分からないが最近はこうしたビルドアップを積極的に選ばないようにしているのかもしれない。

 ただ、前線の選手がかなり流動的に動き片方のサイドに人数をかけながら崩していく攻撃の形は継続しているようで、エバートン戦でもそういった場面がみられた。下図の場面では右SBのAaronsがボールを持った際に、Cantwellがハーフスペースへ(下の左図)。それにDMFの選手が釣られ空いた中央のスペースにAaronsがドリブルを仕掛けPukkiにパス。さらにPukkiは右に流れてきた左SHのHernandezにパスを出した。このようにノリッジは、SBが幅をとる役割を担い、McleanやCantwellが上下左右に流動的に移動し数的優位をつくりつつ、突破力のあるHernandezを使っていく様な攻撃を仕掛けてくる。こうした中盤の選手たちをどのようにマークし受け渡すのか、集中力を保ちながら守備陣は対処する必要がある。

 上のシーンはショートパスを主にした攻撃だが、ロングボールを使った攻撃にも強みがあり、エバートン戦ではそうした攻撃から2点を奪っている。下の場面は1点目のシーンである。


 GKからCBのZimmermannへ、そこからサイドに流れたMcLeanへロングボールを蹴る。McLeanはこれに競り勝ち、こぼれ球を拾ったPukkiから駆け上がってきたCantwellにパスが渡り、そのままゴールとなった。ここで特筆すべきは2点あって、1つ目はCBのロングボールの正確さである。特にZimmermannからのフィードはこの試合でよく効いていた。CBの選手に余裕をもってボールを持たせると、前線や逆サイドへ綺麗に展開されてしまうことになる。もう1つがトップ下のMcLeanについてで、彼はトップ下の選手ながら非常に空中戦に強い。この試合でも何度も勝利しており、両チーム通じて断トツでトップの勝利数を記録している。

sofascore.com

 これはこの試合だけではないようで、今シーズンのプレミアリーグでの成績は下の通り。左がMcLeanで、右はSokratisである。DFのSokratisと比べても空中戦の勝率、1試合当たりの勝利数は遜色がない。Zimmermann等のCBからの精度の高いロングボールとそのターゲットになるMcLeanに対しては適切な対処が求められる。
McLeansofascore.com
Sokratis
www.sofascore.com

 次に守備時の形であるが、守備時も4231になっている。その上で、ボール保持者にはまずCFのPukkiが、それに続いて後方が連動して次々とボール保持者に詰め寄っていく、というハイプレスを採用している。こうしたノリッジのハイプレスは非常に組織化されていてエバートンも手を焼いていた。


 そうはいってもノリッジのハイプレスが常に同じ強度を保てるわけではないし、複数人で奪いきることを目的としていないので、一対一でかわされたりとイレギュラーなことが起こると弱い部分もある。また、基本的にCBが保持した際にPukkiがプレスをかけることをトリガーとしているので、このトリガーを外されると脆さを呈することもある。そういった面が出ているのが下の場面である。ここではエバートンのGKのPickfordが直接スローイングでSidibeに渡すことでノリッジの選手達からすると虚を突かれた形になっている。


 この場面に関してもう1つ気になるのがHernandezのポジショニングで、試合中に何度か彼の守備時のポジションに疑問を感じる場面がみられた。それは彼の守備能力の問題もあるし、それと同時にチームとしてHernandezにかなり自由を与え攻撃に貢献させているのでそのせいもあるように思う。その一方で、攻撃時に流動的に動くMcLeanやCantwellは守備時には適切な位置にいるし、なおかつ特にCantwellは守備への献身性も高い。アーセナルとしてはできれば右サイドからの崩しを意識したいところである。ちなみにCantwellについては最近Sky Sportsに下の様な記事が出ていて、わずか半年ではあるがオランダへのローンの経験がCantwellを大きく成長させたと書いてある。まだ21歳、魅力的な選手なのでこれからの成長に期待したい。
Todd Cantwell's time at Fortuna Sittard sparked his Norwich rise
 ノリッジがハイプレスを徹底していたのは前半のみで、エバートン戦の後半からは442でブロックを作りながら中央を締める守備に切り替えていた。エバートンにボールを保持させつつ外をある程度捨て中央にきっちりとブロックをつくって守っており、非常に高い集中力を保っていて、エバートンは攻める時間が長かったにも関わらずビッグチャンスを生み出せずに終戦している。前半のうちにリードされて後半を迎えるとノリッジのペースに呑まれてしまうことになるだろう。ぜひとも先制をしたいところである。

アーセナルはどう戦うべきか


 メンバー考察の前にまずはアーセナルの怪我人情報から。Luiz、Bellerin、Mustafiが出られるかわからない状況で、Ceballosは相変わらず離脱中。Kolasinacは復帰している。
Team news: David Luiz, Mustafi, Bellerin

 上で書いたノリッジの特徴を踏まえると、今回の試合では下の点に気を付ける必要がある。

流動的に動く中盤の選手への対処
正確なロングボールを蹴るCBに余裕を与えないこと
空中戦に強いトップ下のMcLeanへの対処
相手の左サイド(アーセナルから見て右サイド)の守備がおろそかになりがちなのでそこを突いていくこと

 そこで考えたのが以下のメンバーで、主に守備的な理由から4312を採用。守備時には下の図の右の様な形になる。ツートップはCBへ積極的にプレスをかけるようにして、相手のDMFにはそれぞれGuendouzi、Ozilがつくようにする。McLeanには比較的空中戦に強いXhakaがマンマーク気味に対処する。Torreiraは余らせるようにして、相手の中盤の選手が流動的に動きライン間や中央のスペースを使おうとしてもTorreiraが刈り取れるようにする。4312のCMFでTorreiraを使うのはあまり賛成ではないのだが今回の場合はXhakaが中央から動くことも考慮しているため採用していて、Torreiraの守備時の動きはアンカーの時とあまり変わらないと思う。この形の場合、相手SBへの守備がおろそかになることと、サイドの人数が少ないので右サイドからの攻撃も完成させにくいのが欠点であるが、ある程度SBにボールを持たれることは許容しても良いのではないかと考えている。


 ただ、Ljungbergは上の様な形を採用しないと思う。暫定監督とは言え彼の初陣であるし、新しい方向性をみせるためにも今のベストメンバーで挑むのではないかと思う。その場合は下の様な形になるだろう。この場合は特に右サイドからの攻撃が円滑になるだろうし、相手のSBの上りにも対応できる。ただ、相手のCBへのプレスを強めつつDMFへのケアをし、McLeanに対処するという3つのことをどういう形で実現できるのか、というのが少し見えにくい。中盤にスペースを空けがちになってしまうのではないかと思うがどうだろう。ちなみにLjungbergがどういう形を好むかは知らないし、その点について簡単に説明してくれているツイートもあったが具体的なことはわからない。


 ちなみにこれを書いていて思ったのだけれど、Emeryがフランクフルト戦でLuizのDMFを試したのは、このノリッジ戦でLuizをDMFで起用してMcLeanに対処させることが目的だったのかもしれない。Wenger時代には相手に合わせてフォーメーションを変えるなんていうことを考えもせず、如何に自分たちのサッカーを押し通すか、ということばかりに目を向けてアーセナルの試合を観ていた。カメレオンであることは昨シーズン終盤辺りからかなり槍玉にあがるようになったが、それでも、相手を知ったうえでサッカーを観る楽しさを教えてくれたのはEmeryで、個人的にはそういうカメレオンが好きだった。Emeryだったらどういうフォーメーションで挑んだだろう、そんなことをふと考えてしまう瞬間がこれからしばらくは続きそうではある。Emeryありがとう。

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